
2026年8月17日から18日にかけて、初めて富士山に登りました。
メンバーは、54歳の姉、52歳の私、20歳の姪の3人(女性3人)です。
今回選んだのは富士宮ルート。九合目の万年雪山荘に一泊し、翌朝山頂でご来光を見て下山する計画です。
結果から言うと、無事に山頂まで登り、美しいご来光を見ることができました。
一方で、下山では足に力が入らなくなり、何度も転倒しました。
美しい景色に感動した一方、自分の準備不足も痛感した、忘れられない2日間になりました。
富士宮で前泊
登山前日の8月16日、東京から富士宮へ向かいました。
当初は17日の朝に東京を出ることも考えましたが、富士宮口五合目へ向かうバスの時間を考えると、宿泊する九合目の万年雪山荘へ明るいうちに到着するのが難しくなります。
そこで富士宮駅近くのホテルに前泊することにしました。
結果的に、この選択はとてもよかったと思います。
東京から富士宮までの移動の疲れをリセットできましたし、登山当日の朝も、朝食やトイレ、荷物確認の時間を十分にとることができました。
夕食は地元のお店に行く予定でしたが、目当てのお店が貸し切りで入れず、駅近くの商業施設のフードコートへ。
予定どおりにはいきませんでしたが、好きなものを気軽に食べられました。翌日の登山中に飲む水やおにぎりなどを買うこともでき、かえってよかったと思います。
いよいよ富士山へ
8月17日の朝。
登山に必要のない荷物を富士宮駅のコインロッカーに預け、8時15分発の路線バスに乗りました。
富士宮口五合目駐車場に到着したのは9時35分。
すぐには登り始めず、トイレに行ったり、売店を見たり、軽食を食べたりしながら1時間25分過ごしました。
そして11時ごろ、いよいよ登山開始です。

いよいよ登山開始。登山ゲートの係員さんに声援をいただき、勇気づけられました。
ところが、登り始めてすぐに予想外のことが起きました。
数十段の階段と緩い上り坂を歩くだけで、心臓がばくばくして身体が重くなったのです。
「こんな状態で本当に九合目まで行けるのだろうか」と不安になりました。
それを姉に告げ、酸素を吸いながら、できるだけゆっくり行こう、ということになりました。

今回の登山で、登っている最中に最も苦しかったのは、意外にも最初の五合目から六合目でした。
普段歩いているときとは明らかに感覚が違います。
心拍数を見ると130~140くらいまで上がっていました。
酸素を吸うと楽になるので、定期的に酸素を吸引しました。
また、標準的な所要時間では30分ほどとされている区間でしたが、私たちは無理をせず、かなりゆっくり進みました。
結局、六合目まで1時間ほどかかりました。
ただ、ここで無理にペースを上げなかったことはよかったと思っています。
六合目以降は少しずつ体も慣れてきたように感じ、九合目を目指して一歩ずつ登っていきました。
九合目、万年雪山荘に到着
夕方5時ごろ、ようやく九合目の万年雪山荘に到着しました。

午前11時ごろに五合目を出発したので、約6時間の登山です。
山小屋で名前を伝え、夕食のチケットを受け取り、宿泊スペースへ案内してもらいました。
夕食はカレーと緑茶。
カレーにはお肉と福神漬けがのっていました。
登山を終えたあとの温かい食事はとても美味しかったです。

宿泊スペースはかなりコンパクトで、一人分はおよそ60cm×2mほど。
九合目というと、とても寒い場所で眠るイメージがありましたが、寝袋の保温性に加え、狭い空間に多くの人が寝ているため、むしろ暑いくらいでした。
山小屋の夜――ほとんど眠れなかった
夜8時、消灯で就寝スペースは真っ暗になります。
翌日は午前2時に起きて山頂を目指す予定だったので、少しでも眠って体を休めようと思っていました。
ところが、消灯後、首の後ろから目の奥にかけてズキズキとした痛みが出てきました。
それまでは頭痛や吐き気などはなく、山小屋に到着してから夕食を食べるまでも特に体調の異変は感じていませんでした。
しかし、横になって眠ろうとすると痛みが強く、なかなか眠ることができません。
結局、この夜に眠れたのは20~30分程度だったと思います。
実は姉にも、この夜、頭痛が起きていました。
姉の頭痛は朝には治っていましたが、同じ山小屋で二人とも夜に頭痛が起きたことになります。
私の首の後ろから目の奥にかけての痛みは、翌朝になっても半分くらい残っていました。
午前2時ごろ、朝ご飯を食べ、痛み止めを飲みました。

午前2時半過ぎ、私たちは万年雪山荘を出発しました。
登り始めると私の痛みは消えていき、その後、山頂にいる間も下山中も痛くなることはありませんでした。
この頭痛が高所の影響によるものだったのか、それとも別の原因だったのかは分かりません。
ただ、九合目という普段とはまったく違う環境で宿泊した夜に、姉と私の二人に頭痛が起きたことは、今回の富士登山で経験した体調変化の一つとして記録しておこうと思います。
午前2時半、暗闇の中を山頂へ
翌18日。
午前2時に起き、2時半過ぎに万年雪山荘を出発しました。
外はまだ真っ暗です。富士山の麓の町の明かりがとてもきれいに見えました。

この日は天候に恵まれ、空には星がとてもきれいに見えていました。
オリオン座もはっきり分かります。
ヘッドライトを頼りに、暗い富士山を山頂へ向かって登っていきます。
登山者が多いので、登山道は比較的明るく歩きやすかったです。
登山道の上にも下にもヘッドライトの光がまたたき、光の川ができていました。
頭上の星の輝きと、地上の暗闇に輝く一筋の光のラインの対比が、とてもきれいでした。
しばらくすると、真っ暗だった東の空が少しずつ白み始めました。
夜から朝へと空の色が変わっていきます。
山頂が近づくにつれて、真っ暗だった世界も青白く明るくなっていきました。

富士山頂で見たご来光
そして山頂での日の出。
雲海の向こうから太陽が姿を現しました。
美しいご来光、朝日に染まる雲海。
天候がよくても山頂は寒かったです。
ダウンの上にレインジャケット、タイツの上にレインパンツ、手袋をしてちょうどいいくらいでした。
服装の準備をしっかりしていたので、凍えることなく美しい光景を楽しむことができました。

剣ヶ峰は断念
山頂に到着したあと、標高3,776mの剣ヶ峰へ行くことも考えました。
ところが、途中にはかなり急な斜面があります。
しかも地面が砂状で滑りやすく、登るだけでも一苦労でした。
その先には渋滞もできていました。
すでに疲労を感じ始めていたこともあり、私たちは剣ヶ峰まで行くことを断念しました。
お鉢巡りもしませんでした。
せっかく山頂まで来たのだから行きたい、という気持ちはありました。
しかし、今振り返ると、この判断は正しかったと思います。
なぜなら、このあと想像以上に厳しい下山が待っていたからです。
「登ったのだから、下りは楽」と思っていた
午前7時ごろ、山頂を後にしました。
8時ごろ万年雪山荘へ戻り、荷物を整理して休憩。
靴を脱いで足を休ませることができたのは、とても助かりました。
そして午前9時ごろ、五合目を目指して下山を開始しました。
九合目から七合目くらいまでは比較的順調でした。
登っているときのように心拍数が大きく上がったり、息苦しくなったりすることもありません。
山頂まで行けたという高揚感もありました。
「登りに比べれば、下りは楽だ」
このときは、そう思っていました。

七合目から、足に力が入らなくなった
ところが、七合目あたりから状況が変わってきました。
足に力が入りません。
精神的には興奮しているので、それほど疲れているという感覚はありません。
しかし脚に力が入らなくなり、膝が笑い、足が踏ん張れないのです。
細かい砂利の斜面で体を支えきれず、転ぶようになりました。
3~4回は転んだと思います。
幸い細かい砂の砂利道で大きな岩にぶつかることはなく、大けがにはなりませんでしたが、途中で右足も軽くひねりました。
山頂から七合目くらいまでは急な岩場が多いのですが、新七合目より下は細かい砂利が多くなり、とても滑りやすかったです。
足に力が入らない状態では、滑りやすい砂利道を下るのはとても大変でした。
転ばないように一歩、一歩、ゆっくり下りました。
五合目に戻ったのは午後2時
ようやく富士宮口五合目に到着したのは午後2時。

午前9時に万年雪山荘を出発してから、約5時間が経っていました。
私にとっては、1日目より2日目の方がはるかにきつい登山になりました。
富士山というと、「山頂まで登れるか」ばかりを考えていました。
しかし実際に経験して分かったのは、
山頂に着いても、登山はまだ終わっていない
という、ごく当たり前のことでした。
自分の足で五合目まで戻らなければならないのです。
翌日、歩くのも大変な筋肉痛に
その日のうちに東京へ帰りました。
そして翌日。
猛烈な筋肉痛がやってきました。
特に脚の筋肉痛がひどく、普通に歩くことや階段を上り下りすることさえ困難でした。
強い筋肉痛は、その後3日ほど続きました。
翌日を仕事の休みにしていたことには、本当に助けられました。
登ってよかった。そして、反省も残った
初めての富士登山。
振り返ってみると、本当に素晴らしい体験でした。
登っている途中に見た富士山の斜面や雲海、夕日。
夜空いっぱいの星。
少しずつ明るくなっていく空。
そして、山頂から見たご来光と、朝日に輝く雲海。
景色だけではありません。
登山中にすれ違う人たちとの挨拶。
私が転んだとき、すぐに駆け寄ってくれた人。
苦しい思いをしながら同じ山頂を目指す、名前も知らない人たち。
富士登山だからこそ経験できた、人とのつながりもありました。
一方で、大きな反省もあります。
今回は天候にとても恵まれました。
もし風が強かったら。
もし雨が降っていたら。
もし転んだ場所が悪かったら。
準備不足だった私たちは、自力で下山できなかった可能性もあったと思います。
無事に登り、無事に帰ってこられた。
下山してから改めて、その幸運を感じました。
富士山で見ることができる素晴らしい景色と、標高の高い山へ登る危険性は表裏一体です。私の体験と反省が、これから富士登山を計画している方の参考になれば幸いです。


コメント